皆さん愛犬の歯はきれいに保てていますか?
犬は歯磨きをしなくていいと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、人と同じで犬も歯磨きをしなければいけません
人は毎日自分で歯磨きできますが、犬は自分で出来ません(当たり前ですがw)
なので飼い主さんがしっかり愛犬の歯のケアをしてあげなければいけないのです
歯磨きをしないと犬も人と同じで歯周病など歯のトラブルになってしまいます
そうならないためにも今回は歯磨きの大切さを知っていただこうと思います
今回は歯磨きの大切さ、始める時期や頻度、歯磨きの慣らし方や方法についてご説明いたします
さらに、歯磨きを怠るとどのような病気にかかってしまうのかをご紹介いたします
歯磨きの大切さ
ペットとして飼われている犬の4頭のうち3頭は歯のトラブルがあると言われています
歯周病になると歯がぐらぐらしたり、歯から出血、歯茎も腫れたりします
口臭もひどくなり近くにいるだけで口の匂いが気になるぐらいになってしまいます
トリミングサロンに来られるお客様の中にも口臭が気になると悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます
歯石がついてしまうと自分で取る事はできないので病院で取ってもらう事になります
削ったり磨いたりする作業になるので全身麻酔でしか処置はしてくれません
(最近では無麻酔歯石除去をするトリミングサロンもありますが、正しい知識を持っていない所もあり、歯を傷つけている可能性もあるので危険が伴います)
全身麻酔はリスクもありますし、お金もそれなりにかかります
病院の処置で歯はきれいになりますが、悪くなった歯は抜かないといけないのでほぼ歯がない状態になる可能性もあります
もっと悪くなれば口の中だけで収まらず菌が広がり口の中以外のところにも害を与える事もあります
歯磨きが重要だという事は分かっていただけたでしょうか
飼い主が歯磨きをちゃんとしなかったせいでそうなるのはとっても心苦しいですよね
日々のケアとして歯磨きは必須項目です
必ず歯磨きはしてあげてください
歯磨きの頻度
歯磨きが大切だとわかっていただけたと思いますが、毎日しないといけないの?と疑問に思う方もいらっしゃると思います
結論から言うと毎日が理想ですが忙しい方は毎日でなくてもいいです
でも、2,3日に1回は最低必ず行ってください!(ほぼ毎日ですねw)
なぜ2、3日に1回は最低歯磨きしないといけないかと言うと、歯垢が歯石に変わってしまうのが3日だと言われているからです
歯石に変わってしまうと簡単に取る事ができなくなります
歯垢は磨けば取れるので歯石に変わる前の歯垢の状態で歯磨きをすれば歯をきれいに保つことができます
歯磨きを始める時期
歯磨きを始める時期は迎え入れてからお家での生活になれてきたらスタートです
ただ、始めると言ってもすぐに歯ブラシでゴシゴシするのはやめましょう
いきなり歯ブラシでしてしまうと、びっくりして怖くなったり痛かったりで『歯磨き=嫌な事』となってしまいます
言い換えればトラウマですね
歯磨きがトラウマになってしまうと、歯磨きをさせてくれなくなる上に口元すら触らせてくれなくなる可能性もあるので注意が必要です
正しい順番で歯磨きは慣れさせてからしてあげましょう
順番については後ほど説明するので安心してくださいね
歯磨きの種類
歯磨きの種類もさまざまあります
- 歯ブラシ
- 歯磨きシート
- 歯磨きスプレー
- 歯磨きガム
- 歯磨きおもちゃ
歯ブラシ
人と同じで一番歯磨きで効果的なのは歯ブラシで歯を磨く事です
隙間まで届きやすいので簡単にきれいに磨けます
歯磨き粉を付けて磨くとより一層効果を発揮できます
歯磨きシート
ペットショップやネットなどで犬用の歯磨きシートが売っています
それを指に巻いて歯を磨きます
歯ブラシと比べるとシートの方が受け入れてくれやすいですが、細かい隙間などは届きにくいので歯垢や食べかすが残ってしまう可能性もあるので注意が必要です
歯磨きスプレー
人でいうマウスウォッシュの効果があります
口の中を除菌してくれるので歯磨きの後にするとより効果的です
飲み水に混ぜるタイプもあるので愛犬に合ったものを探してみてください
歯磨きガム
歯磨きガムは様々な種類が出ており、愛犬が好きな物を選んであげてください
噛むだけで歯垢を除去するというものですが、あくまでも補助的な物だと思っておいてください
まれに歯磨きガムだけでもキレイを保てている子もいますが、それに甘えてしまって気付かない間に歯石が付いていたなんて事になれば取り返しがつかなくなるので注意してくださいね
歯磨きおもちゃ
歯磨きができるというおもちゃも様々な種類が出ています
これも歯磨きガムと同じで補助的な存在なのでこれだけで歯磨きが完了するとは思わない方がいいです
おぼろは上記の写真のおもちゃで遊ばせていますよ
ほかにもたくさんあるので探してみてください
歯磨きの慣らし方
いろいろな歯磨きの種類や方法がありますが、やはり一番効果的な歯ブラシで磨く事をおすすめします
歯ブラシで磨くためには、トラウマにならないよう段階を踏んで慣れさせてあげてください
飼い主さんがイライラしたり、不安がりながらすると愛犬に伝わってしまうので自信をもって実行してください
何事も愛犬と楽しみながらゆっくり進めてあげる事を心がけましょう
慣らす方法は次の5工程です
- 口回りを触る
- 歯を指で触る
- 指に歯磨き粉をつけて歯に付ける(舐めさせる)
- 歯磨きシートで拭く
- 歯ブラシで磨く
1.口回りを触る
まず、歯を触る前に口回りを触る事に慣れさせてください
遊びながら触ってみたり、撫でている時についでに口元も撫でてあげてり、おやつを上げる時に触ったり何かをしている時に自然に触ってあげる事から始めてください
抵抗がなくなるまで根気よく続けてくださいね
2.歯を指で触る
口回りを触るのが嫌がらなくなったら次のステップ歯を触るです
はじめは少し触れる程度からスタートし、徐々に指で一本ずつ触る歯を増やしていってください
慣れてきたら指で軽く歯をこすってみるのもいいですよ
焦らずゆっくり進めて行ってくださいね
3.指に歯磨き粉をつけて歯に付ける(舐めさせる)
歯ブラシで磨く時、歯磨きペーストなどをつけたり、歯磨きスプレーなどをする方が効果があるので歯磨き粉の味に慣れさせておく必要があります
なので指で触られる事に慣れてきたら次は指に歯磨き粉を付けて歯に付けたり舐めさせたりして歯磨き粉にも慣れさせてあげてください
4.歯磨きシートで拭く
指で触られたり、歯磨き粉にも慣れてきたら歯ブラシでする前に歯磨きシートで拭く練習をしましょう
歯ブラシで磨くよりシートで拭く方が刺激もすくなく慣れやすいです
指からシートに変わるので違和感を感じる子もいると思います
慣れるまで時間がかかる可能性もありますが、ゆっくり焦らず慣れてもらってください
5.歯ブラシで磨く
4つの工程をマスターしたらついに歯ブラシの登場です
歯ブラシも段階を踏んで行ってください
- 歯ブラシを見せて嗅がせたりして歯ブラシの存在を知ってもらう
- 歯ブラシで歯をタッチする
- 歯の奥まで歯ブラシを入れる
- 少しずつ磨く
根気のいる作業ですが歯磨きをトラウマにしないために必要な工程になります
いい子に出来たら思いっきり褒めてあげたり、おやつをあげたりしてください
歯磨きをした後は必ずいい事があると教えてあげましょう
歯磨きを怠ると発症する可能性のある病気
歯の病気は歯石が付く事によって引き起こされる事が多いです
歯垢は細菌です
その歯垢が固まって歯石になり、歯石は取る事が難しいので常に口の中に細菌がいる状態になってしまうので危険です
その一般的な病気としては歯周病と虫歯があげられます
歯周病
歯磨きを怠ると発症する病気で一番多いのが歯周病です
歯石によって圧迫された歯茎に細菌が入り炎症を起こすことを歯肉炎と言い、その歯肉炎の炎症がさらにひどくなると歯を支える歯槽骨が破壊されて歯周炎(歯槽膿漏)になってしまう事を総称して歯周病と言います
歯周病がひどくなると、さらに大きな病気につながってしまう可能性があるので早めに病院で相談することをおすすめします
虫歯
虫歯は歯の中心部にある神経部分(歯髄)に炎症が起こり痛みを生じる事を言います
犬の場合は破折から虫歯に発展する事が多いらしいので欠損している歯を見つけたらすぐに病院で診てもらってください
歯の病気が悪化すると
歯根の先端まで炎症が達するとそこに濃がたまり、進行すると上顎や下顎の骨を破壊したり、ご飯を食べるだけで下顎の骨が折れてしまったりします
さらに濃が広がっていくと顎下や顔の皮膚にまで貫通し穴が開いてしまったり、口と鼻が繋がってしまったりご飯を食べるのも困難になる危険性があります
歯周病が引き起こす二次疾患
歯周病などの歯の病気になると体の各部位に細菌が感染してしまう可能性があります
その主な病気は
- 感染性心内膜炎
- 虚血性心疾患
- 肝炎
- 間質性腎炎
- 変形性骨関節炎
- 骨髄円
などがあげられます
これらは重度の運動障害を引き起こしたり、最悪死に至る可能性もあります
まとめ
歯磨きの重要性はわかって頂けたでしょうか
トリミングサロンに来てくれる子の中にも歯の病気によって顔が腫れたり口周りを触ると痛がったりする子がいます
そうなってからでは歯磨きをしても治りません
気付いた時には手遅れになっている事もあります
そうならないためにも日々の歯磨きは欠かせません
必ず歯磨きはするようにしてくださいね!
自分で出来ない場合はお金はかかってしまいますが、病院やトリミングサロンでしてもらうのをおすすめします
愛犬の歯は飼い主が守りましょう!
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